機能性材料の物性評価

無機・有機複合高分子材料である配位高分子は、様々な酸化状態や電子配置をとりうる金属イオンと多様な分子構造と電子状態をとりうる有機配位子とを組み合わせることで、複合材料特有の機能を有する新しい材料を設計・合成できる可能性があります。本研究室では特に、ハロゲン化銅などの金属塩と様々なπ共役架橋有機配位子を組み合わせることで、新しい配位高分子を合成しています。これら配位高分子は電気伝導性や強誘電性、発光性などを発現する可能性があり、様々な測定手段を用いて、その物性を調べています。

本研究室では紫外・可視・近赤外吸収スペクトルの測定、蛍光測定、直流・交流伝導度測定などを行うことで、その電子状態と物性を調べています。また、それらをデバイス化することで、更に色々な情報が得られます。例えば、有機半導体や配位高分子を用いて電界効果トランジスタ（FET）を作製し、そのトランジスタ特性を評価することで、物質のキャリア移動度を見積もることができます。そこで本研究室では、配位高分子の薄膜化する方法を開発するとともに、薄膜太陽電池、電界効果トランジスタ（FET）有機エレクトロルミネッセンス素子へと応用し、材料単体では発現できない新たな機能の発現を目指すとともに、デバイス内のでキャリアや励起子の拡散、再結合など様々な物性を評価しています。