有機電界効果トランジスタ（OFET）

現代の高度情報化社会においてトランジスタは情報の伝達、変換、蓄積の根幹に係わる電子デバイスであり、その性能の向上および低消費電力化は重要な課題の一つです。また、最近ではフラットパネルディスプレイやICカードなど幅広い分野におけるニーズから、環境に優しく低コストで作製できる有機トランジスタ（OFET）が注目されています。この様なトランジスタにおいて、その性能は半導体材料のキャリア移動度に大きく依存するため、近年では高いキャリア移動度を示す有機半導体の開発が活発に行われています。

OFETの出力特性および伝達特性を解析することで、有機半導体のキャリア移動度を見積もることができます。キャリア移動度は有機トランジスタだけでなく、有機薄膜太陽電池や有機EL素子においても、高い性能を発揮するために必要な特性であり、様々な有機半導体のキャリア移動度を評価できるデバイスとしてもOFETは有用です。本研究室では合成した有機半導体や金属錯体のキャリア移動度を評価するための測定手段としてOFETを活用しています。